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◆PART1 おかしいな？と家族が気づいたら 対策2 手料理で認知症をチェックする ？ ごみを溜める、料理をしない、一人暮らしの母が心配です。［42歳・女性］ 7年前に私たち家族は、夫の転勤に伴って岡山県から宮城県に引っ越し、現在、中学生の娘と息子の4人で暮らしています。私の両親は昔から岡山県内で商店を営んでいましたが、父が5年前に亡くなってからは店を閉じ、現在73歳になる母は一人暮らしをしています。 私は家事やパートタイムの仕事に追われ、なかなか帰省できず、母とは2年ほど会えずにいました。しかし、週に1度は電話で話をし、母からは近隣に住む昔なじみと元気に過ごしている様子を聞き、あまり心配していませんでした。 「一人暮らしは気楽でいい」と言っていた母の異変に気づいたのは、1ヶ月前でした。電話で「昨日、何食べたの？」と聞くと、「サンマを焼いたよ」と言うのです。 もう冬なのにおかしいと思って尋ねると、「そうかねえ」と気のない返事。思い返すと、先週もサンマを食べたと言っていました。それに、最近は私が話して母が相づちを打つだけの会話が多いことにも気がつきました……。 △アドバイス 電話では元気そうでも、生活は乱れていることがあります。年に一度は会って、日常の様子を確かめて下さい。 物忘れが頻繁で、掃除や料理などの家事ができていないことなどから、このお母様は中等度以上のアルツハイマー型認知症が疑われます。ごみを出せないのは日付や曜日を認識できておらず、臭いを気にしないのは嗅神経が障害を受けているからと思われます。ほかにも、服装がだらしなくなっていたりはしないでしょうか。 認知症には、初期段階から誰にでも現れる中核症状と、それに精神的な不安や混乱、環境などさまぎまな要因が加わって現れる周辺症状があり、住み慣れない街への転居は周辺症状の引き金になります。まずはお母様の地元で介護認定を受け、ケアマネージャーなどに家事の援助を相談してみるとよいでしょう。 ◆認知症の中核症状と周辺症状 △中核症状 記憶障害 ‐ 新しいことを覚えられず、最近の記憶が抜け落ちる。進行すると、古いことも忘れる。 見当識障害 ‐ 時間や場所、人物などを正しく認識できない。 理解・判断力障害 ‐ 物事を理解し的確な判断をすることができない。 失語 ‐ 言葉が出ない、言葉の意味を理解できないなど、スムーズな会話ができない。 失行 ‐ 服を着替えられない、道具を使えないなど、体を目的通りに動かせない。 失認 ‐ 見た物が何か分からない、位置関係が分からないなど、視覚や聴覚の情報が正しく認知できない。 実行機能障害 ‐ 計画や段取りを立てられず、順序立てて行動できない。 △周辺症状 暴言・暴力行為、徘徊、幻覚、妄想、興奮、睡眠障害、不安、うつ状態、焦燥、せん妄（意識が混濁した状態）、異食（食品以外の物を口に入れること）、過食、失禁、不潔行為（便をいじって壁にこすりつけるなど）、介護への抵抗、多弁・多動 など |