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◆PART1 おかしいな？と家族が気づいたら 対策3 「物盗られ妄想」から認知症を疑う ？ 文句やいやみを言われるばかりか、私を泥棒扱いする義母との同居が苦痛です。［48歳・女性］ 夫の母（75歳）は、義父が亡くなってから茨城県の自宅で5年間一人暮らしをしていました。その義母を1年前、私たち夫婦の住む埼玉県のマンションに呼び寄せて同居を始めました。ちょうど息子が結婚して独立し、部屋が空いたからです。義母はこれまでにも、息子の病気や私の仕事が忙しいときなどには泊まりがけで来て家事の面倒をみてくれ、わが家の事情をよく知っていました。また、義母は快活できっぶのよい人で私も好きでしたので、同居は歓迎していました。 朝、夫と私は仕事に出かけ、その間に義母は片づけや掃除、買い物、洗濯物の取り込みなどをします。夕食は私が用意して、たまに遅くなるときには義母に頼むという、家事の分業が最初の数ヶ月はスムーズにできていました。 ところが最近、何事も素直に「はい」と言ってくれません。よかれと思って手伝ったことも、「勝手なことをしないで」と叱られるようになりました。一方、自分に都合の悪いことは「知らない」、「忘れた」で片づけ、失敗を認めようとも、謝ろうともしません。 先日、早く帰宅したときに、義母が自分の妹に電話をしているのが聞こえ、その内容に驚きました。「大切なバッグを嫁が盗んだ」と、私の悪口を告げていたのです……。 △アドバイス 態度が変わったのは認知症のためと思われます。症状を理解して、本人が安心できる環境づくりをして下さい。 アルツハイマー型認知症の初期症状として、すぐにイライラして怒りっぽくなったり、疑い深くなったり、自分勝手な振舞いで家族を困らせることがあります。 本人の性格やお嫁さんの受け答えも影響している可能性もありますか、おそらくこのお姑さんの振舞いは意地悪になったのではなく、認知症のためと思われます。 本人がすぐに怒ったり我儘を言う理由を家族が理解しょうとせず、叱ったり敬遠したりするだけでは、人間関係も症状もますます悪化してしまいます。認知症の症状は周囲の人を困惑させますが、一番不安でつらい思いをしているのは本人です。認知症の早期診断は、治療を早く始めるためだけではなく、家族が症状を理解して、本人が安心できる環境を作ってあげるためにも大切です。 ◇認知症早期発見のチェック 以前と遣ってこんな症状が目につくようになれば、認知症の疑いがある。 △物忘れ ①つい最近のことを忘れるようになった。 ②時間や曜日をよく尋ねるようになった。 ③同じことばかり言うようになった。 ④財布や免許証などをよく探しまわるようになった。 ⑤約束の日時や場所をよく忘れるようになった。 △行動の変化 ①計算ができなくなった。 ②買い物で必要な物を買わなかったり、必要でない物を買ったりする。 ③料理の段取りが悪くなり、味付けが変わった。 ④あまり外出しなくなった。 ⑤予定の時間に合わせて準備ができなくなった。 ⑥同時に二つのことが処理できなくなった。 ⑦身だしなみや部屋の汚れを構わなくなった。 ⑧テレビやエアコンなどの操作ができなくなった。 △性格の変化 ①些細なことでイライラしたり怒りっぽくなった。 ②失敗を認めず、人のせいにするようになった。 ③失くしたものを「盗まれた」と言い、人を疑うようになった。 ④ー人でいると寂びしがったり、不安がるようになった。 |