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◆PART5 どうしたらいいの…と悩んだら 対策16 介護の悩みやストレスを抱え込まない ？ 認知症の母に何度も同じ話を間かされて、ついイライラと…。［56歳・男性］ 私は東京都内で妻と母と3人で暮らしています。2人の息子は自立して離れて暮らし、めったに顔を見せません。今年81歳になる母は2年前にアルツハイマー型認知症と診断され、介護保険認定を受けています。 母はトイレや食事は自分でできますが、物忘れがひどくなり、午前中の出来事は夕方には忘れています。日常の介護は専業主婦の妻に任せ、私は休日に手伝う程度です。釣りが私の趣味ですが、妻と母を置いて出かけるわけにもいかず、休日もなるべく家にいて、私なりに妻の負担が軽くなるよう気を遣っています。 母は週1回デイサービスを利用しています。それでも妻の介護のストレスはたまるようで、私の帰宅時に妻が不機嫌なことはしょっちゅうです。近ごろは母がデイサービスに行きたがらず、なだめすかして迎えの車に乗せていると言います……。 △アドバイス 介護を続ける家族がイライラするのは当然です。自分を責めず、周囲に相談して息抜きをして下さい。 認知症の人を介護していて、イライラしたりカッとなったりしたことのない人は、まずいないと思います。「優しさと思いやりが必要」と言葉では分かっていても、感情をコントロールするのは難しいことです。ですからこの男性には、自分を責めないでいただきたいと思います。また、長く介護を続けている奥様も同じ思いをこらえているはずですから、奥様への気遣いをしてあげて下さい。ここ もちろん、どんなにイライラしても、お母様に乱暴な振舞いをするのはよくありません。恐怖心でお母様の症状がさらに悪化し、家庭の雰囲気はもっと暗くなるでしょう。また、直接手を出さなくても、大声で怒鳴ったり、意図的に無視するなどの行為も、心理的な虐待にあたります。こうした衝動や行為が生じるのは、介護に疲れ、閉塞感にとらわれている証拠です。ご夫婦ともにいったん息を抜いて、心に余裕を取り戻して下さい。 こうした家族の悩みの相談窓口が、地域包括支援センターです。介護に疲れた家族による虐待を防ぐために、地域のさまざまな支援制度やサービスなどを紹介してくれます。また、虐待の通報を受けて対処することもあります。 |